Vol.31 貯蓄するなら、まずは給与天引き
投資や保険など、お金に関する様々な質問や相談に
幅広い分野のプロフェッショナルがズバリ答えるこのコラム。
今月は「給料は上手にやりくりしよう!マル秘貯めテク」
を取り上げます。
35歳までに1,000万貯めたいと考えています。
残業が多いせいで、外食費を削れないのが悩みです!?
◆現在、実施中の貯めテク◆
・貯蓄が苦手だったので、給与天引きの財形貯蓄を利用して、
強制的&確実に貯めています。
・家賃が銀行振込なので、ネットバンクを使って、
振込手数料を抑えています。
・実家や彼女との連絡には、IP電話を利用しています。
・買い物の前にはウェブで価格比較しています。
(25歳 男性)
今回はコラム『幸せを呼び込むマネー・カウンセリング』でもお馴染みの
ファイナンシャルプランナー金子祐子さんに
貯蓄のアドバイスをしてもらいました。
金子祐子 プロフィール
神田生まれの江戸っ子ファイナンシャルプランナー&マネーコーチ。
特にシングルのプランニングを得意とする。
「より幸せになるために・夢をかなえるために」をモットーに
「幸せ」と「お金」の関係を探るべく、
FPという枠にとどまることなく活動を続けている。
オフィスBLISS代表。
25歳、しかも一人暮らしをしているのに
預貯金が100万円というのは立派です。
また、節約テクニックもそれぞれ理に適っており、
どれも見習うべきものばかり。
さらに、給与天引きはまさに基本中の基本です。
お金を貯めようと思うなら、収入-支出=貯蓄ではなく、
あくまでも収入-貯蓄=支出が貯蓄の心得。
残ったら貯めようなどと考えていては決して貯まりませんよ。
特に財形貯蓄は、サラリーマンならではの特権。
使わない手はありません。
この財形貯蓄、正式には勤労者財産形成貯蓄といい、
勤労者(サラリーマン)にかぎって認められている貯蓄制度のこと。
勤労者の貯蓄や持家取得の促進を目的としていて、
給料から天引きで行う貯蓄のことを指します。
目的に応じて、「一般財形」「財形住宅」「財形年金」の3種類があり、
「財形住宅」か「財形年金」を選べば、
元利合計550万円までの利子が非謀税とされ、
通常は利子から源泉分離課税される20%がかかりません。
低金利の時代とはいえ、通常の預貯金よりは有利ですね。
また、購入する住宅が基準に適合しており、
1.申込時の年齢が70歳未満であること
2.融資対象の住宅には、申込者本人が所有し居住すること
3.財形貯蓄を1年以上続け、残高が50万円以上あること
などの条件を充たしていれば、最高4000万円まで
「財形住宅融資」という有利な条件のローンを
利用することができます。
ここで、財形貯蓄のコースを選ぶポイントをひとつ。
「住宅って言っても家を買う気はないし、年金というにはまだ早いし・・・」と、利子非課税優遇のない一般財形を選ぶ人が多いのですが、もし5年を超えて財形貯蓄を続ける気持ちがあるなら、ちょっと待ってください。
たとえ利子非課税優遇のある「財形住宅」「財形年金」コースを選んでいても、その目的以外に引き出すことが絶対に禁止されているわけではありません。
確かに、目的以外で引き出す場合は、
ペナルティとして過去5年間の利子に対して
20%の源泉分離課税が遡ってかかることになりますが、
それ以前についた利子についてはお咎めなし。
つまり5年を超えて積み立てていれば
その分だけ有利になるのです。
(ただし、この場合、残高の一部だけ
引出すということはできません。
また保険型の財形については積立開始時からの
すべての利子について一時所得扱いで課税されます)
財形貯蓄のほかにも、会社がお膳立てをしてくれる貯蓄制度、
例えば持ち株会や社内預金制度などがあるようなら、
通常より有利な場合が多いので、積極的に利用していきましょう。
次回は、支出や貯蓄方法について具体的に見ていきます。
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