Vol.32 貯蓄の一部はリスクのある商品に
投資や保険など、お金に関する様々な質問や相談に
幅広い分野のプロフェッショナルがズバリ答えるこのコラム。
今回も前回に引き続き
「給料は上手にやりくりしよう!マル秘貯めテク」について
コラム『幸せを呼び込むマネー・カウンセリング』でもお馴染みの
ファイナンシャルプランナー金子祐子さんに
貯蓄のアドバイスをしてもらいました。
金子祐子 プロフィール
神田生まれの江戸っ子ファイナンシャルプランナー&マネーコーチ。
特にシングルのプランニングを得意とする。
「より幸せになるために・夢をかなえるために」をモットーに
「幸せ」と「お金」の関係を探るべく、
FPという枠にとどまることなく活動を続けている。
オフィスBLISS代表。
前回に引き続き、貯蓄方法や節約テクニックについて
みていきましょう。
相談者さんの節約テクニックを見ていて感心するのは、
その「コスト意識」の高さです。
例えば、ネットバンクを使うことで、振込手数料を抑えたり、
通話料を節約するためにIP電話を利用したりと、
普通なら面倒でつい見逃してしまいそうな部分にきちんと注目し、
不必要なお金をかけていません。
このコスト意識、個人の節約のみならず、
これからは企業で働くビジネスマンにとっても、
必要な意識といわれています。
お仕事の面でもなかなか優秀なのではないでしょうか?
さて、通信費について一言。
もし互いにパソコンを持っているなら
同じくIP電話の一種であるスカイプを利用するという
手もあります。
基本的に無料で使えますし、
ウェブカメラをつければテレビ電話としても使えますよ。
また、外食費が削れないと悩んでいるようですが、
総務省の平成18年度統計データによれば男性単身者の場合、
食料費の平均が4万8千円強となっており、
4万5千円程度ならば仕方がないかもしれませんね。
しかし、「外食費が多いかも」と
日頃から気をつけておくことは大切です。
健康の面からも考えて、
できるだけ自炊したいものです。
貯蓄の目標額が、あと10年、
35歳までに1000万円となっています。
貯金が月3万円、1年で36万円では、
10年で元本は360万円です。
ボーナスの半分を貯蓄に回したとしてもプラス400万円。
現在の貯蓄とあわせて元本のみで860万円となり、
1000万円には160万円足りません。
単純に積立額を増額できればいいのですが、
年に16万円ずつ増やすとなるとちょっとキツイかも。
そこで、金利分を加えてみることにします。
財形貯蓄の金利を、銀行の大口定期預金程度の0.4%と考えます。
郵便貯金の普通貯金が現在0.21%、
貯蓄の内訳がわからないので平均して0.305%。
これを複利で計算してみましょう。
結果、その金利分を足しても約876万円。
やはり目標額には届きません。
実は現状の貯蓄額と積立額を足して、
10年後に1000万円にするには、
約2.5%の金利が必要になります。(税金は考慮せず)
そこで、今よりも少し金利分を稼ぐために、
お金の積み立て先を考えてみます。
いきなり全体の金利を2.5%に底上げするのは難しいので、
とりあえず普通貯金に積み立てている2万円について
見直してみましょう。
1万円分はほんの少しですが
今より金利の良い定期預金の積立へ回し、
残りの1万円については多少リスクのある金融商品、
例えばバランス型の投資信託等で
積み立ててみてはいかがでしょうか。
リスクのある金融商品は、
当然のことながら上がったり下がったりします。
しかし、10年という長い投資期間があるので、
いろいろ学び、試行錯誤しながらも、
目標額に近づけていくことができるのではないかと思います。
もちろん、無理のない範囲で積立額を増やしていくことも有効な手段です。
そのために、「昇給分は考えない」というワザもあります。
どういうことかというと、お給料が上がっても生活は変えない、ということです。
たとえ給料が上がり、手取り額が増えたとしても、昇給前と同じ金額で生活するようにするのです。
そして、その差額分をそのまま積み立てに回します。
こう言うと
「え~っ、せっかく生活に余裕ができそうなのに・・・」と
ブーイングが起こりそうですが、
貯めている人は意外と実行していますよ。
ともあれ、これからも楽しみながら
堅実な貯蓄生活を続けていってください。
・財形貯蓄、社内預金などサラリーマンのメリットは最大限に利用しましょう。
・生活全般に「コスト意識」を持ちましょう。
・金利にも敏感に。勉強しながら少しずつ投資を始めてみるのもOK。
・お金を貯めるコツのひとつは、収入が増えても生活は変えないこと。
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