Vol.42 貯蓄プランのベースは支出の把握
投資や保険など、お金に関する様々な質問や相談に
幅広い分野のプロフェッショナルがズバリ答えるこのコラム。
今回も前回に引き続き
「大公開!社会人の給与明細とその支出」について、
ファイナンシャルプランナーとして
執筆、講演、個人相談等で積極的に活動している
杉田ゆみかさんに貯蓄のアドバイスをしてもらいました。
杉田ゆみか プロフィール
中央大学法学部法律学科卒業。
大手生命保険会社、ソフトウェアハウスを経て、
FPハウススターバレリーナを開業。
相談センターでの相談員や大学での講師などを経験し、
現在執筆、講演、個人相談等積極的に活動中。
著書・翻訳本「ファイナンシャル・モデリング」(清文社、翻訳・共著)
「株式投資のための決算書の読み方Q&A」(エクスメディア、共著)
前回、主に貯蓄を始めるにあたっての
目標のたて方についてお話しました。
今回は、「2年後に200万円の中古車をキャッシュ購入」
という目標を想定して、生活面・支出面での
改善ポイントを解説します。
■目標まであといくら? -プランの作成-
「200万円」という数字だけ見ると、
「えっ!ムリムリ」と思うかもしれません。
でも、これを「1月あたりに必要な貯蓄額」に置き直すと
現実的な数値になることも。
1.これから準備する金額=200万円-15万円(現在貯蓄額)=185万円
2.1年間で必要な貯蓄額=185万円÷2年間=925,000円
3.1か月で必要な貯蓄額=925,000円÷12ヶ月=77,083円
定期と財形貯蓄をあわせた月5万円の他に、
月々27,083円(或いは年324,996円)を貯蓄することができれば
目標達成ということになりますね。
この金額がまだ非現実的に思えたなら、目標の変更が必要です。
■貯蓄のための改善ポイント1 -正確な支出把握-
今回プロフィール通りの支出であれば、今もっとたくさんの貯蓄があるはず。
また、毎月の支出表には、携帯電話代やネット利用料などが入っていないようです。
「これといって無駄遣いしていない」とのことですが、忘れている支出があるのかもしれません。
支出の把握は貯蓄プランを作成する際のベースになります。
違っていると、これをベースに作成した貯蓄プランも狂ってしまいます。
ボーナスの使い道も含め、
もう一度どんな事にお金を使っているか
振り返ってみましょう。
■貯蓄のための改善ポイント2-支出の改善-
毎月の支出を節約するのであれば、
「食費」「光熱費」「書籍・CD・DVD」に
注目してみましょう。
「食費」は、外食の際に居酒屋をやめ定食屋を利用したり、
そもそもの外食の回数を減らすことにより
大きな改善効果が期待できます。
「光熱費」については、
独身男性の平均6,062円※に比べてかなり多く、要チェック!
シャワーを出しっぱなしにしていないか?
エアコンを必要以上に使っていないか?等
自宅での生活の再点検が必要です。
「書籍・CD・DVD」は、
「手元に置いておきたい」もの以外は、
レンタルやリサイクルを検討してみましょう。
また、ボーナスを活用すれば、
毎月の支出を節約するよりも負担感少なく
貯蓄をすることができます。
無理なく実践できそうな方法を検討しましょう。
※出典「家計調査年報平成18年、単身男性34歳以下」総務省
■貯蓄のための改善ポイント3 -思わぬ出費に泣かないためのリスクヘッジ-
若くて体力に自信があるという人でも、
病気やケガで入院してしまうことがあります。
入院や手術のための医療費は高額になることも。
貯蓄額が少ない人は、そうした出費に備えて、
医療保険を検討してみましょう。
支出は増えますが、「思わぬ出費で貯金が・・・」という事態を
ヘッジすることができますよ。
以上見てきたように、上手にためるためには、
「目標の設定」や「正しい支出の把握」など、
「支出改善」以外にも大切なことがたくさんあります。
こうした点を意識しながら、
今より貯められるよう頑張ってみてください!
今回のポイント!
・なかなか貯蓄できない人は、「目標設定」からはじめてみましょう。
・よりリアルな目標ほど、目標額も明確になり、貯蓄へのモチベーションもアップ!
・ローンより貯蓄が断然お得!貯蓄の習慣づけが大切。
・大きな目標額は、「1月あたりに必要な貯蓄額」におきなおして身近な数値に。
・支出の把握は、プラン作成のためのベース。正確な把握を心がけましょう。
・思わぬ出費に泣かないために医療保険の活用も検討してみましょう。
2008-04-11 11:06
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