Vol.43 貯蓄のコツは生活レベルの維持
投資や保険など、お金に関する様々な質問や相談に
幅広い分野のプロフェッショナルがズバリ答えるこのコラム。
今回もVol.39、Vol.40、Vol.41、Vol.42に引き続き、
「大公開!社会人の給与明細とその支出」を取り上げます。
なかなか貯金が出来ないので、 財形貯蓄を導入してみました。
来月から楽しみです。
(25歳男性 入社1年目)
今回はマネープランに関する個人相談で豊富な経験を持っている
ファイナンシャルプランナー 宮本久史さんに
貯蓄と家計に対するアドバイスをしてもらいました。
宮本久史 プロフィール
玉川大学工学部卒業後、食品メーカーを経て
現在は個人相談の業務を中心としたFP事務所「お財布救急隊」代表。
公共機関・労働組合が主催するセミナー、講演多数。
近著:格差社会を生き抜くためのおカネの新常識(きこ書房)
・FPが配信するメルマガとしては日本最大規模の登録者数
(1万3千人以上)を誇るメールマガジン運営責任者
・電話で相談ができる生命保険専門サイト「心配無用!保険相談室」監修・運営責任者
ちょうど社会人1年目が終わろうとしているこの時点で、
貯蓄について真剣に取り組もうという姿勢は
とてもすばらしいと思います。
給与天引きの財形貯蓄で、
収入からまず貯蓄する金額を引いて
残りの金額で生活費に当てるというのは
FPのアドバイスからしても優等生の回答だと思います。
来月から財形で毎月2万円、
財形以外の定期的な貯金は
普通預金で3万円ということですから
トータルで5万円となります。
これがきちんと計画通りに継続されれば、
毎月の収入手取り20万円のなかでの5万円というのは
貯蓄についてはかなり優秀な部類に入ります。
もちろん予想不可能な突然の出費があるかもしれませんが、
年間ボーナスの48万円(例年と同じ金額だとしたら)と合計すれば
机上の計算では年間貯蓄100万円も夢でもありません。
それでは、今後生活をしていく上で
貯蓄やお金の配分について押さえておきたい
いくつかのポイントをまとめましたので
参考にしていただければと思います。
まず、意外に感じるかもしれませんが
家計データを拝見する限り
ガチガチに管理するする必要は
今のところはないと私は考えます。
細かくここの項目はいくら以内にするという
目標を立てるのも一つかと思いますが、
データの記載にある食費(昼食代・夕食代)、
交際費、光熱費、娯楽・レジャー費、服飾代、
雑費、新聞代、書籍CD・DVD代の金額を含めると
9.1万円になります。
この金額を自分でコントロールできる変動費の上限と考えます。
一つの項目で毎月どのくらい使える(予算)
使っている(実績)ということを
把握しておくことはもちろん大切ですが、
総額でつじつまを合わせるという「心のゆとり」というか遊び心も、
家計コントロールを継続しておこなうには大切です。
ただし、重要なことを一点!
年功給が無くなった世の中とはいえ、まだ社会人1年目ということなので今後しばらくは収入の上昇が期待できるかと思います。
しかし、それにつられて支出が増え過ぎないように気をつけましょう。
今まで相談を受けてきた経験上、一度上がった生活レベルを下げる時は結構大変な努力と意志を必要とします。
また、細かいところで恐縮ですが
(既に行っていることかも知れませんが)、
遊び終えたゲームソフトがそのまま眠っているのであれば
中古ゲームソフト屋さんへ売却するのも手です。
私も現在38歳ながらTVゲームを結構するのですが、
中古ゲームソフト屋さんをよく重宝して活用しています。
もしあなたが住む地域(エリア)や部屋の広さに
こだわりを特に持つタイプでなければ、
できれば結婚(家族構成に変化があるまで)するまでは
今の住居費の負担(家賃)比率は変えないようにしましょう。
転勤の多い職業というのであれば別ですが、
引越し貧乏という言葉があるように、
引越しには通常賃貸仲介の不動産会社に仲介料、
大家さんには礼金・敷金、
業者に依頼をすれば引越し費用がかかります。
人によっては、賃貸の更新毎に引越しを楽しむ人もいますが、
お金を貯めるという側面から見た場合には
あまりおススメではありません。
また通常、賃貸の更新料は
2年毎に新家賃の1ヶ月分というところが多いですので、
この金額も頭に入れておいてください。
住居費は一度住みはじめると、
決まった金額を毎月支払うことになるので
収入がUPしてもその分家賃の高い住居に住めば
給与上昇分は相殺されてしまいます。
支払い家賃は家計費の固定費となりますので
最初が肝心ということをお忘れなく!
次回はそもそもの貯蓄の目的である「車の購入」と、
「20代でしかできない投資」についてお話をします。
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