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Vol.49 実は円高になるほどFXは魅力的

投資や保険など、お金に関する様々な質問や相談に
幅広い分野のプロフェッショナルがズバリ答えるこのコラム。

今月は「FXをするなら知っておきたい、
急激な円高ドル安、そのカラクリと対応」
を取り上げます。

Q.最近、FX(外国為替証拠金取引)をはじめました。

ところが、昨年後半からドル安が急激に進んだため、
相場のスピードについていけず、損をしてしまいました。

ドル安の原因といわれているサブプイライムローン問題によって
アメリカの景気も悪くなりそうだという見方もあり、
私の理解の範疇を超えて、
話の規模がどんどん大きくなっているような気がします。

今回の円高ドル安の背景の解説と、
今後FXで取引をするにあたってのアドバイスを
いただけないでしょうか。

(30代 男性)

今回は年間150回前後もの講演の他、
テレビや雑誌など様々なメディアで活躍中の
経済アナリスト 田嶋智太郎さんに答えてもらいました。


田嶋智太郎 プロフィール

慶応義塾大学卒業後、現三菱UFJ証券勤務を経て転身。

金融・経済全般から戦略的な企業経営、
個人の資産形成、資金運用まで幅広い範囲を分析・研究する。

週刊現代など、活字メディアの連載執筆、コメント掲載多数。
数多のWEBサイトで株式、外国為替等のコラム執筆を担当し、
株式・外為ストラテジストとしても高い評価を得ている。

テレビ(テレビ朝日「やじうまプラス」、BS朝日「サンデーオンライン」)や
ラジオ(毎日放送「鋭ちゃんのあさいちラジオ」)などのレギュラー出演を経て、
現在は日経CNBC「マーケットラップ」のレギュラーコメンテータを務める。

主な著書は「財産見直しマニュアル」(ぱる出版)
外貨でトクする本―10ドルから始めよう!」(ダイヤモンド社)など。

オフィシャルHPは http://www.e-minamiaoyama.com/

'07年の6月に124円台であったドル円レートが
'08年3月には95円台にまで下落。

わずか9ヶ月間で30円近く、
率にして2割以上も価格が変動するというのは、
ある意味で驚くべきことなのかもしれません。

ただ、思い起こせば'05年のドル円相場は、
年初に101円台だったものが
同年の12月には121円台にまで上昇。

外国為替相場というのは「そういうもの」と
考えておいた方がいい
のでしょう。

'05年1月から'07年6月まで、大よそ2年もの間、
基本的にはドル高・円安トレンドが続いていたわけですから、
突然、そのトレンドが転換してまったく逆の方向に向かい始めたら、
さすがに暫くは戸惑うでしょうし、損をすることもあるでしょう。

しかし、トレンドが明確に変わったのだとすれば、
それはそれで十分に対処のしようがある
(=その時々の状況に柔軟に対応できる)、
そもそも、それがFXの最大の魅力であるということを
再確認することからはじめましょう。

■外国通貨安・円高になるほどFXの魅力は際立つ

外貨預金や外貨MMFなど(FX以外)の外国為替取引手法は、
いずれもドルやユーロなどの外国通貨が
円に対して高くなることを前提に利用するもので、
要は「円安」にならないと為替差益を得ることができません。

blogFIN49.jpgよって、昨今のようにひと頃よりも随分と「円高」になってしまうと、もはやお手上げです。

その点、FXはドルやユーロなどの外国通貨が円に対して安くなって(=円高になって)も為替差益を得ることができます。

これはFXでしかできないことであり、ある意味で、FXは円高になるほどその魅力が際立つ(=真価が発揮される)ということもできます。

例えば、円高・ドル安が一段と進むと思ったときには、
ドル/円を「新規に売る」ことから取引を始め、
思い通りに値下がりしたら安いところで
「買い戻す(=買い決済する)」ことによって差益を確定します。

あらためてチャートを眺めるとよくわかるのですが、
ドル/円レートというのは
上昇局面ではジワリジワリと比較的緩やかに推移するものの、
下落局面では一気にストーンと落ちる
ケースが少なくないのです。

これは、いわゆる「円キャリー取引」と呼ばれ、
まずは金利の低い円でおカネを調達し、
それを海外の高金利通貨などで運用して利幅を稼ぐ
という投機的手法が大きく関わっています。

この実需を伴わない多分に投機的な円売りのポジションが
ジワリと積み上がった後、何かをきっかけに
そのポジションが一気に解消される(=巻き戻される)ことで、
急激にドル/円が下落することはよくあること。

つまり、ときに「売りから入る」という手法は
短期で大きな利幅をもたらしてくれるわけなのです。

■外国為替相場は懐が深い

世界の外国為替市場の1日の取引高は
'07年に約3兆2000億ドル(320兆円)に達しており

売買代金が1日あたり2~3兆円程度という
東京証券取引所(第1部)と比較してもケタ外れです。

市場規模が大きいということは、
それだけ数多くの売買注文が各々異なるレート上に存在する
ということであり、それはイコール
「いつ何時でも、ちゃんと売買が成立する(=注文が約定する)」
ということ
でもあります。これは確実&安心ですね。

例えば、ドル/円が僅か1日で2円~3円程度、
一気に下落するケースというのは必ずしも珍しいことではありません。

そのような場合にドル/円を買い持ちしていたら、
確かに損失は免れないのかもしれませんが、
それでも多少余裕を持たせた水準での
「指値」か「成り行き」の売り(=決済)注文を出せば
ちゃんと約定し、損失は限定される(=ロスカットができる)はずです。

これが株式取引となると、少々ワケが違います

比較的「小粒」な銘柄にあっては、
ときに売り注文が殺到して値がつかず、
徐々に「気配」を切り下げながら、
最終的にストップ安水準での「売り気配」のまま
一日の取引が終了してしまうことも少なくありません。

場合によっては、そのような状態が数日間続いて
「一体、いつになったら売れるのかわからない」
などという状態に追い込まれることもあるのです。

次回は、このところの円高の背景や原因を探り、
今後の相場を展望してみることとしましょう。

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2008-05-07 13:05  nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(3) 
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