Vol.52 FX取引で押さえたい3つのポイント
投資や保険など、お金に関する様々な質問や相談に
幅広い分野のプロフェッショナルがズバリ答えるこのコラム。
今回も前回に引き続き「FXをするなら知っておきたい、
急激な円高ドル安、そのカラクリと対応」について、
個人投資家向け情報提供会社 『エフエックス ニュースレター』代表の
国際金融ジャーナリスト 斎藤登美夫さんに答えてもらいました。
斎藤登美夫 プロフィール
約13年間の為替専門誌記者生活を経て2004 年に独立。
個人投資家向け情報提供会社
『エフエックス ニュースレター』を設立し、現在はその代表。
またインターネットの為替テレビ
「FOREX TV(無料)」を運営する
『etvMEDIA・ジャパン株式会社』の代表取締役も兼ねる。
24時間為替情報サービス『MARKET WIN 24』への情報提供のほか
レポート配信、セミナー講師などでも活躍中。
FOREX TV http://www.forextv.jp/
FOOREXのブログ http://fx-blog.jp/saito/
前回は、昨年後半からの
急激な円高・ドル安の原因について振り返ってみました。
今回は、今後FXを取引するうえで
押さえておきたいポイントを3つご紹介します。
最初に押さえておきたいのは「損切り」です。
すでに取引をされている方なら、ご存知ですよね。
損失を覚悟で決済することを「損切り」と言います。
“損切りなんて、何をいまさら・・・”
と思われる方が多いかも知れませんが、
「言うは易し、行うは難し」で
なかなか実行できないという方も少なくないように思います。
実際に、今回の荒れ相場で多くの個人投資家の方が、
市場から撤退を余儀なくされています。
そのうちの大多数が損切り注文を出さずに
強制決済されたものと思われます。
私の知っている個人投資家さんは、
損切りをしなかったがために、
ご両親の遺産2,000万円を失うことになってしまいました。
相場は、自分の思い通りに動くものではありません。
プロのディーラーでさえ、
当たる確率は6割程度にすぎないのです。
つまり、プロでも4割は外すのですから、
別の言い方をすると「いかに損失を小さくするか」
あるいは「いかに上手く負けることができるか」
それがFX取引を長く続けるコツです。
そのためには、損切り注文をキチンと出すことが
非常に重要だと言えます。
2つ目のポイントは、外貨を買う取引だけでなく
外貨売りの取引にも慣れておくことです。
2005年以降、約2年半にわたって円安基調が続いていたため、
円高を経験していない個人投資家の方も多いのではないでしょうか。
ドル/円やクロス円を売ると
日米などの金利差を背景とした「スワップ」の支払いが生じるため、
外貨売りに抵抗を感じる方もいらっしゃることでしょう。
ただ、スワップの金額は為替差益に比べると微々たるもの。
売りからの取引ができるようになれば、
利益を狙うチャンスは倍増します。
「持っていない外貨をなぜ売ることができるのか」
という質問をされる方もいますが、まずは論より証拠、
試しにFX取扱業者がやっているデモ取引や
シミュレーションゲームで練習してみると
理解が早まるかもしれませんね。
最後のポイントは、業者選びにもかかわってくることですが、いざというときにアドバイスをもらえるFX業者で取引をする、ということです。
何年もFX取引を経験している方は、サポート体制よりもコストパフォーマンスを重視した会社で取引してもいいでしょう。
しかし、初めての方や経験の浅い方は、多少、取引手数料がかかったとしても、電話による相談を受けられるコールセンターなどを完備している会社を選んだほうがいいかもしれません。
困ったときや、わからないことがあったときは
すぐに質問ができますし、
今回のような急激な円高・ドル安が進行したときなども、
アドバイスをくれるスタッフがいると心強いものです。
具体的に「どこの業者が良い」という話はしませんが、
たとえ取引そのものはインターネットで行うにしても、
「質問はメールのみ」などという業者は、
初心者の方にはお薦めできません。
以上、3つのポイントに気をつけて
これからもFXライフを楽しんでいきましょう!
・昨年後半からの急激な円高・ドル安には金融市場の混乱が背景に。
・金融市場混乱の発端はサブプライムローン問題。
・リスク回避から円キャリートレード巻き戻し(=円買い)の動きが活発化。
・ドル/円相場は、13年ぶりに100円割れ。
・米景気後退に対する警戒を怠らずに取引すべし。
・損切り注文は必ず出そう。
・外貨売りからの取引ができれば、チャンスは倍増。
・初めて取引する場合は、サポート体制が充実している会社がオススメ。
共通テーマ:マネー
コメント 0