Vol.78 将来の備えには自分への投資も大切
投資や保険、カードなどお金に関する様々な質問や相談に
幅広い分野のプロフェッショナルがズバリ答えるこのコラム。
今月のテーマは「こんな時代だし将来が心配です。
これからに備えるライフプランとは?」です。
増えてきたように思います。
これまではあまり貯金もしないで
給料を好きなことに使っていましたが、
結婚や老後の生活なども考えたライフプランを
たてたほうがいいのではと思いはじめました。
将来に備えるために、まずはどうすればいいでしょうか。
(20代 男性)
今回はマネープランに関する個人相談で豊富な経験を持っている
ファイナンシャルプランナー 宮本久史さんに答えてもらいました。
宮本久史 プロフィール
玉川大学工学部卒業後、食品メーカーを経て
現在は個人相談の業務を中心とした
FP事務所「お財布救急隊」代表。
公共機関・労働組合が主催するセミナー、講演多数。
近著:格差社会を生き抜くためのおカネの新常識(きこ書房)
・FPが配信するメルマガとしては日本最大規模の登録者数
(1万3千人以上)を誇るメールマガジン運営責任者
大多数の方、特に若い方の多くは収入(給料)から支出(生活費)を引いて
残ったものがあれば貯蓄に回すといったスタイルの暮らし方を
しているのではないでしょうか?
発想をちょっと変えて考えてみましょう。
収入(給料)から先に貯蓄をして、
残りのお金を支出(生活費)に回す、
限られたお金の範囲でやりくりをして生活する習慣づけを
することがまずは大切です。
会社員の方で、会社に財形制度があれば一般財形から始めてはどうでしょう。
毎月決まった金額を給料天引きで貯めることができ、
ボーナス時の増額も可能です。
財形制度がない場合でも、
給料日の当日か翌日には一定金額を普通預金から
定期預金に振り替えてしまいます。
こうして収入があったら
すぐに強制的に貯蓄をする仕組みを作りましょう。
最近の20代の方は、
一生懸命に貯金をしているという人も多いようです。
ただ、結婚後の生活や、老後に漠然とした不安を感じて
貯めるだけではなかなかその不安は解消されないと思います。
まずは、将来の生活を具体的にイメージしてみましょう。
例えば、5年後に結婚するとします。
結婚情報誌ゼクシィの調査によると、
新生活準備に平均140万円かかる
(結納・婚約~新婚旅行までにかかる費用は平均414万円)
そうですが、そのお金を5年でためるとすると
毎月2万4千円積み立てなくてはなりません。
ボーナスで年間20万円貯金できるとすれば、月々の積み立ては7千円ですみます。
このように何年でいくら貯めるのか、目標を決めるといいでしょう。
老後についても同じで、65歳で退職するとしたとき、それ以後90歳までにどのくらい生活費がかかるのか試算してみます。
夫婦二人の1ヶ月の生活費を仮に30万円とすると、30万円×12ヶ月×25年でなんと9千万円です。
ただし、半分程度は公的年金でまかなえると思うので
(確かに今後の年金支給水準は引き下げられる可能性もありますが)、
残り4500万円程度は自助努力で
貯めなくてはいけない金額だとわかります。
2007年大卒の退職者の退職金(一時金と企業年金合計)が
約2千万円ですから、2500万円をこれからの
30~40年かけて貯めていけばよいのです。
年金財形や個人年金などでまずはこつこつと始めてはいかがでしょう。
「ライフプラン」というと、どうしても
将来の生活の資金計画といったお金の面が強調されがちですが、
実際は文字通り「人生計画」をはっきりと見定めることです。
人それぞれ幸せの基準や価値観は違いますから、
自分がどんな人生を送りたいのか、具体的にイメージし、
目標を持つことが大切です。
お金は人生の選択肢を増やすためのひとつの手段に過ぎません。
豊かな実りある人生を過ごすには、
自分の魅力作り、才能磨きのために
読書や資格取得など自分への投資も忘れないようにしましょう。
将来に備えるために大切なこと
・貯蓄ができる仕組みを作る。
収入(給料) - 貯蓄 = 支出(生活費)
・将来の生活を具体的にイメージする。
結婚、老後の生活にいくらかかるか数値化して、
何年でいくら貯めるのか、目標を立てる
・実りある人生のために自分への投資も忘れずに!
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