Vol.10 ボーナスを託せる投信を見つけよう
投資や保険など、お金に関する様々なテーマに
幅広い分野のプロフェッショナルがズバリ答えるこのコラム。
今回も前回に引き続き
「ボーナスでチャンスをつかめ!とっておき運用術」について
So-netマネーのコラム『実践!!知っておきたい投資のノウハウ 』
でもお馴染みのファイナンシャルプランナー 野尻美江子さんに
答えていただきました。
野尻美江子 プロフィール
書店勤務を経て、独立系FP会社に入社。
現在は"ファイナンシャルプランナー"の存在を
広く啓蒙するために設立された
「ファイナンシャルリサーチ」に所属。
雑誌・webサイトへの執筆、ラジオ出演を通じて
"自分のお金と向き合うきっかけづくり"を提案している。
主な著書は「これなら勝てる!株式投資の本―デイトレ、週トレ、中・長期投資」(成美堂出版)
ここからは、投資に挑戦できる環境が整っている方に向けて、
今回のボーナスの半分を投資する商品の候補について
考えていきたいと思います。
日頃、残業などで忙しい人にとって、
オススメなのが投資信託。
運用のプロがあなたに代わって運用してくれます。
投資信託は、たくさんの投資家から集めた資金を、
ファンドマネジャーが株や債券など
各ファンドが投資対象とする市場のなかで厳選投資し、
その成果を投資家に分配するしくみの金融商品。
1万円から投資できるものが多く、
少ない資金でもさまざまな市場に
分散投資することができます。
ただし、納得して投資信託を使いこなすには
いくつかの注意点があります。
第一に、いくらプロが運用してくれるといっても、
どのセクターを投資対象とする、
どのファンドに、いくら投資するのか、については
自分自身で判断しなければなりません。
投資対象を大きく分けると、
・日本の株式
・日本の債券
・海外の株式
・海外の債券
の4つのセクターが基本です。
ここに、REIT(リート)という
海外の不動産を投資対象とする不動産投資信託や、
日本の不動産を投資対象とするJ-REITや、
原油や天然ガスなどさまざまな商品に投資する
コモディティなどが投資対象として加わります。
一般的な特徴として、
債券より株式の方が値動きは激しくなり、
日本より海外のものの方が為替リスクを伴うこともあり、
値動きは激しくなります。
すでに、保有している金融商品とのバランスとともに、
自身が許容できるリスクと期待するリターンを
冷静に考慮し配分を決めていきます。
しかしながら、値動きが激しい=リスクが高いのですが、
それは=危険ということではありません。
現在、30代でこの先運用に充てられる時間がたっぷりあって、
定期的な安定収入がある方が、余裕資金で投資を始めるなら、
最初から細かく全セクターに分散するよりも、
成長を感じるセクターに小額から投資してみることも可能でしょう。
もし、保有しているうちに、
予想とは反対に大きく下がる場面があったら、
ファンドが提供するウィークリーレポートなどとともに、
自分自身で、下がった理由を
市況環境の変化から把握するようにしましょう。
原因が一時的なものである場合には、
さらに買い増すことで買付価格は有利になります。
また、新興国に投資するファンドのように、
将来的な国の成長を期待したものであれば、
国家政策の大幅な変更などといった急激な変化がない限り、
持ち続ける判断ができるかどうかが
ポイントになることも多いですし、
そもそも、荒い値動きを前提に投資する姿勢が必要です。
一方で、長期的な混迷が続きそうだと判断すれば、解約も選択肢になってきます。
この時、マイナスが出ているというのはツライものですが、少額で投資を始めたマイナス分なら、仕事で挽回することは十分可能なはずです。
同時に、その痛い経験から、セクターの選び方やファンドの選び方などについて反省点に気づくことができれば、これからの投資生活に活かしていくことができます。
これにより、多少の損失を抱えても、
投資スキルを少しずつ身につけていくことができます。
その他の注意点としては、購入時に募集手数料が掛かる
(なかにはノーロードといって、
購入時の手数料のみ掛からないファンドもあります)ことや、
預貯金や個別の株と違い、
保有している間ずっと信託報酬というコストが掛かることも
十分理解しておく必要があります。
また、ボーナスを手にした時期が、
即、買い時とは限らないので、世界的な市況環境を眺めつつ、
気になるいくつかのファンドの違いを細かくチェックしておくなど、
長いお付き合いになる投資信託を購入する前には準備も必要です。
大切なボーナスを託せる自身のリスク許容度にあった
ベストファンドを見つけてみて下さい。
・預貯金金利が低迷しているといって、誰もが、リスク商品を選択できるとは限らない。
・投資に挑戦するには、大前提として家計から余裕資金を捻出しなければならない。
・投資信託はプロが運用してくれるといっても、市況環境・運用状況の確認は必須。
・ボーナスを手にした時期が、即、買い時とは限らない。
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