Vol.11 ボーナス運用では金額と環境を確認
投資や保険など、お金に関する様々なテーマに
幅広い分野のプロフェッショナルがズバリ答えるこのコラム。
今回もVol.7、Vol.8、Vol.9、Vol.10に引き続き、
「ボーナスでチャンスをつかめ!とっておき運用術」を取り上げます。
せっかくなので、全部つかってしまわないで
半分ほどは貯めておこうと考えています。
ただ、貯金ではあまりに金利が低すぎます。
かといって米国のサブプライムローン問題もあって
夏以降は株も値が下がったままのようです。
オススメの投資商品があれば教えてください。
(30代 男性)
今回は新聞、マネー雑誌、経済誌など様々なメディアで活躍中の
ファイナンシャルプランナー 深野康彦さんに答えていただきました。
深野康彦 プロフィール
有限会社ファイナンシャルリサーチ代表
ファイナンシャルプランナー
様々なメディアを中心に、個人の資産運用や管理、家計管理や見直しなど、お金に関する啓蒙活動や、新聞・マネー雑誌、経済誌などへの執筆・取材協力および金融データの提供を行っている。
ラジオ日経ファイナンシャルBOX/木曜日のパーソナリティでもある。
主な著書に『家計崩壊──「見えないインフレ」時代を生きる知恵 (講談社+α新書)』(講談社)などがある。
ボーナスなどの節目で運用を始められる人が多いようですが、
まず確認しなければならないのが、
そもそもボーナスの内どのくらいの金額を
運用に回すことができるのか?ということです。
特に、株式や投資信託などの価格が変動する商品への投資には、
絶対ということがありません。
したがって、投資へ回してもよいお金は、
資金使途が決まっていなく、
長期間運用することができるお金に限られるからです。
これに対し、資金使途が決まっているお金は
5年未満などの短期や中期の運用で
元本を減らしてはならないのです。
金利が低いといえども、
安全確実な預貯金や国債などで
運用する必要があるのです。
運用に回すことができる金額が確定したら、
お金を運用する環境を把握する必要があります。
金額が確定すると、どの金融商品がいいかな、
株式投資であればどの銘柄がいいのかななどとなります。
お金の運用においては銘柄選択などよりも、
どの資産(アセットクラス)に
どのくらいのお金を振り向けたら良いのかが、
収益に与える影響が大きいからです。
まず、安全確実に運用できる預貯金や国債などは、今後の金利がどのように動くかが鍵になります。
日本銀行は利上げモードに入ってはいるものの、米国サブプライムローンの影響による株価の下落で、なかなか追加利上げができない状況です。
そうこうしているうちに、国内景気も黄色信号がともりはじめているようです。
実感なき景気回復といわれ続けましたが、
どうやら実感できないまま本当に景気が後退しそうです。
とはいえ、政策次第では
景気が盛り返すこともないわけではありません。
したがって、預入期間の短い定期預金や流動性の高い商品で
様子を見ていくというのが懸命と思われます。
一方株式市場も、
国内株式が2003年4月の大底から上昇してきたのは、
ひとえに景気が回復した賜物です。
その景気に陰りが見え始めているのですから、
国内株式全体が大きく上昇していくのは難しそう。
となれば、高い成長が見込める
中国を始めとした新興国へ投資したほうが、
大きな果実を得られる可能性は高そうです。
外貨投資にしても、
米ドルに関しては約2年半続いてきた円安基調に終止符が打たれ、
短期的には円高トレンドとなりそうです。
したがって、米ドル以外の通貨に目を向けた方が
良い気がしてなりません。
前半はお金の色分け、
運用環境について述べましたが、
次回は具体的な運用商品について
のべることにしましょう。
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