Vol.64 メタボ対策はシンプルな保険から
投資や保険など、お金に関する様々な質問や相談に
幅広い分野のプロフェッショナルがズバリ答えるこのコラム。
今回も前回に引き続き
「メタボリックシンドローム対策に最適な医療保険とは?」について、
某大手生命保険会社に勤務して
長年営業を担当してきたSさんに、答えてもらいました。
S プロフィール
某大手生命保険会社勤務
ファイナンシャルプランナー資格所持
某大手生命保険会社に入社後、
地方の営業所長を歴任。
現在は本部にて法人営業を担当。
お酒が入ると、歯に衣着せぬトークがいきなり炸裂する。
前回告知したように、
今回はメタボリックシンドローム対策に最適な医療保険の
具体的な選び方についてご説明します。
最初に理解していただきたいのは、
保険とは基本的に病気を予防するサービスではなく、
病気にかかったときのための対処的なサービスである
ということです。
さて、そこでメタボリックシンドロームが原因となって生活習慣病となり、
高額な医療費がかかった場合の備えには、
どのような保険が必要なのでしょうか?
まず最初に利用できるのが健康保険の「高額療養費制度」です。
通常、治療費の自己負担は3割ですが、
1ヶ月の治療費が高額になってしまった場合、
基準金額を超えた分は還付されます。
サラリーマンなど健康保険に加入している人なら、
まずこの制度が利用できます。
また、病気で休業している間の給与補填も
健康保険の傷病手当金から受け取ることができます。
有給を使い切ってしまっても、欠勤4日目以降は給料に応じた
標準報酬日額の2/3程度の金額が1年6ヶ月は支給されるのです。
こういった公的な制度を大前提とした上で
何をカバーするのかを検討してみましょう。
実は医療保険で一番カバーしたいのは、
医療費の自己負担分はもちろんですが、
それ以外の様々な支払いなのです。
具体的には自由診療と言われている
健康保険が適用されない治療費や、入院や治療にかかる雑費です。
雑費には家族がお見舞いする際の交通費や、
差額ベッド代などが含まれます。
これが意外と高額になってしまうケースが多いのです。
たとえメタボリックシンドローム対策だとしても、
医療保険に入るなら、病気の種類を限定せず、
入院すれば入院給付金が日額1万円支給されるような
オーソドックスな保険にまずは加入されることをオススメします。
どの保険会社も、生活習慣病や三大成人病、七大成人病、難病などさまざまな病気の特約を用意していますが、それらの病気にかかっただけですぐに給付されるわけではなく、その後の状態や手術の有無により給付が決定されるなど、一般の方がその内容を完全に理解することは難しいことも多いのです。
ですので、とりあえずはどんな病気であれ、入院すれば一定額の入院給付金が支給され、手術をすれば給付金が出るオーソドックスな医療保険に入っておくことが一番実用的です。
シンプルな内容であれば月々の保険料も安くなります。
保険料は1入院あたりの支払い限度日数でも変わってきますが、
よほどの病気でない限り入院が何ヶ月にも渡ることはありませんので、
60日か120日の短期入院型の保険を選んでおけば大丈夫でしょう。
保険にばかりお金をかけても仕方がありませんので、
最低限必要な保障をしっかり押さえた上で、
自分自身で理解ができる内容の、
必要だと思われる特約をつけていってはいかがでしょうか。
・メタボリックシンドローム対策の医療保険は急成長している。
・健康保険でまかなえない分を医療保険でフォローしよう。
・まずはオーソドックスな医療保険に入ろう。
・その上で金銭的に余裕があるのなら、必要な特約をつけよう。
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