Vol.28 ライフプランは無理のない貯蓄から
投資や保険など、お金に関する様々な質問や相談に
幅広い分野のプロフェッショナルがズバリ答えるこのコラム。
今回も前回に引き続き
「新年度からのライフプランの立てかた、教えてください」について
マネープランに関する個人相談の経験が豊富な
ファイナンシャルプランナー 宮本久史さんに答えていただきました。
宮本久史 プロフィール
玉川大学工学部卒業後、食品メーカーを経て
現在は個人相談の業務を中心としたFP事務所「お財布救急隊」代表。
公共機関・労働組合が主催するセミナー、講演多数。
近著:格差社会を生き抜くためのおカネの新常識(きこ書房)
・FPが配信するメルマガとしては日本最大規模の登録者数
(1万3千人以上)を誇るメールマガジン運営責任者
・電話で相談ができる生命保険専門サイト「心配無用!保険相談室」監修・運営責任者
今回は具体的なライフプランの進め方について説明します。
ライフプランを立てるにあたり、
まずはご自身が今置かれている
立ち位置の確認をしていきましょう。
自分は会社員(公務員)なのか、自営業なのか、
自分(配偶者)の兄弟の人数は?
ご自身だけでなく配偶者の両親の現況
(健康状態、現在も仕事をしているのか、
既に退職をしているのか)は?
今後ご両親(本人もしくは配偶者)と
同居するのか、しないのか。などなど。
改めてこのように書くと
自分の中では当たり前のことばかりかもしれません。
しかしここではまずは思いつくまま
白紙にペンで書いてみます。
正解は無いのですから、考える前に思いつくことであれば、
とにかく書いてみましょう。
まずはご自分を取り巻く環境を
一度一歩引いて改めて振り返る作業、
時間をとることがとても大切です。
このような作業を通じて
漠然とした不安から活字という目に見える形にすることで
ライフプランをより具体的なものとすることができます。
ご自身の立ち位置の確認ができたら
次にライフプラン(=お金の準備)の優先順位を
ある程度決めておいたほうが良いかもしれません。
人生の4大資金というキーワードを
お聞きになられたことはあるでしょうか?
教育資金、住宅、生命保険、老後資金を総称して
人生の4大資金と呼びます。
※FPによっては多少項目が変わる人もいます。
これら全てを同時に準備しなければならないと思うと、
想像するだけで気が遠くなる人もいるかもしれませんね。
どれも確かに大切です。
しかし全て同じ配分で準備をするとなると
途中で挫折をした場合には、
真面目な人ほど自分への嫌悪感が出てしまうでしょう。
初めから全てを完璧に目指すのではなく、
タイムスケジュールや項目ごとに強弱を付けることも
また大切なのです。
日本の貯蓄のない2人以上世帯は22%(平成18年10月 金融広報委員会)という数字があります。
これを単純に解釈すると5家庭に1家庭は貯蓄が無いということになります。
まずはよく言われる事ですが、「収入―支出」で残った金額を貯蓄に回すのではなく、「収入―貯蓄」でまず貯蓄をした上で残りの金額で生活をしていくスタイルにすることをお勧めします。
もちろん無理のある貯蓄は禁物です。
若いお二人だと今の時点ではあまり想像しにくいかもしれませんが、
「人生自分達(夫婦)だけではコントロールのできないこともある。」
ということを頭の片隅で構わないので
少し気に留めておいていただきたいと思います。
こんなご相談を受けたことがあります、
夫婦共働きでそれなりに収入があり
今までは自分達の好きなように生活をおくってきた家庭が、
ある日突然親の介護に直面し、
今までの自分達の生活スタイルを変えざる得なくなりました。
これも、事前に想像の翼を少し広げておけば
対処の仕方も変わってきたかもしれません。
少し前に流行った言葉ではないですが、
何事も「想定内」にしておくことが心のゆとりに繋がります。
・時には夫婦で真面目な話をする時間をもつことも大切。
・今の自分の立ち位置を確認する。
・ライフプラン実現のためにお金配分の優先順位をある程度つける。
・最初の一歩は貯蓄ができる家計体制づくりから。
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